森のなかから*ツレヅレノオト




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登練習拒否 :: 2008/09/14(Sun)

ボール沢山縮小ph

あまり、この写真に意味はないのですが…。
ichioの野球練習用のボールの数々です。

野球の魅力にとりつかれているichioですが、
8月は結局一度も練習に行きませんでした。
アメリカ青年が来てたり、旅行行ったり、体壊したり、
理由はあるのですが…。
練習ズボンのひざが破れかけてたので、「ひざあて」をつけたってのも
大きな理由らしかったです。
「かっこわるすぎ!」
らしくて。

野球ズボン縮小
↑横向いてますが、これがその”かっこわるすぎ”のズボンです…。


チームの練習には行かなくても、一人家でもくもくと自主練してたけどね。

1ヶ月も休んで、とにかく行きづらくなってしまっている状態だったので、
私は
「一回、がんばって行きなさい」
と言いました。
「それでも嫌ならやめていい」
って。

私の本心は「できれば、やめてほしい…。空手で十分。そして勉強もして!」

その朝、
朝からお腹こわしてました。精神的なものか単なる病気かわかんないけど。
そのうち自分で体温計で熱を測り始めました。
らしくなく、妙に甘えた声で
「お母さん、行ってくるね」
「きつかったらすぐに帰っておいで」
ichioはアマノジャク。そう言われたら、帰ってきたくなくなるなぁ…と思いつつ私が言った言葉です。

そしてHe has gone.

帰ってきたichioは
「やっぱり野球続ける。オレ今日大活躍だったよ!!!」
あぁ~そうなると思ってはいたんだけど…。

でも、朝、行きたくない、行くの嫌だなぁって気持ちを乗り越え、
勇気を持って、一歩踏み出せたということは、
ひとつ成長したと思うし、やっぱり野球が好きなんだと感じました。

好きなことくらいやらせてあげたいもんねぇ…。
たいしたことできない、未熟母だからこそ。
自分は母親の仕事の半分くらいしかできてないくせに(半分以下かも)、
子供たちには厳しい、かなりサイテーな母親だからね…。

かっこわるすぎのひざあてについては…。

「見かけじゃなくて実力でしょ。ひざあてつけてるとプレイがうまくなるって思われるくらいのプレイをしてこい」
と言っておきました。
「それでもかっこ悪いとか笑うやつがいたら、『ふざけんな』と脅してこい」
とも。
あ~とんでもない母親。

でもね、もうちょっとでおさらばだから…。ひざあてくんとは…。
だって、ズボンの丈が…。
短すぎ
なんですもの。
母はそっちのほうが恥ずかしいと思うけど、
当分買いに行く暇もないし、できればバーゲンの時に買いたいから、
それは言わないでおきます


空想物語工房

「なんで来ないんだ?」
「だから、体調悪いって」
「こんな長く?悪い病気かなんかか?」
「知りませんよ」
彼が練習に姿を見せなくなって、もう1ヶ月近い。
生真面目な彼らしく、毎回’体調不良’の欠席を連絡してくるが、
真意は定かでない。
普通に学校には通ってるらしい。
友達の少ない彼。その本音は誰もわからないようだった。

野球で遊んでるときに、彼の友達が言った。
「機敏に動かないと、次の大会レギュラーとれないぞ」
彼はただ小さく笑っただけだった。
何も言わせないぞという彼の威圧感が、その年上の友達を襲った。

誰も聞かなかった。
元気に遊んでるのになぜ練習に来ないのか?と。

コーチはいい加減イラついていた。
彼は現れない。
彼の父親に
「次の大会はショート、レギュラーですよ」
と誘い水をかけた。
それでも彼は姿を見せない。
当てにしていいのか?
もう来ないのか?
本当に悪い病気じゃないのか?
何が起こったんだ?
あんなに野球が好きで、誰より動いて、いつも自信満々で、
一番こなくちゃいけない人間のはずだ。
こないでいられない人間のはずだ。
いったい何なんだ?

さらに1週間が過ぎた。

もう、あきらめよう。
彼抜きでレギュラーを組もう。

と、そこへ彼がやってきたのだ。
悪びれもせず、つい前回もその前もずっと来ていたような顔をして。

ふざけんな。大人をなめんなよ。今日の練習試合は出さない。

スターティングメンバーに入ってない彼は、
一人いつものように一番にランナーコーチボックスに駆けていった。
ベンチでは声を出し、応援を続けていた。
涼しげな表情で。

そして一試合目が終わり、ボールをぬぐっていた。

「何だったんだ?」
「あっいや、体調が悪くて」
いつものように礼儀正しく答える彼。
その目は濁ってはいない。嘘ではないようだが…。
ピュアで、喜怒哀楽のどれもが当てはまらない無の表情、しかしそこには大人には知る由もない彼の意志が隠れているようだった。
この子は他人に左右されることは、一生ないんだな…。
「次、出るか?」
「はい、もちろん」

誰もが惚れ惚れするようなしなやかな動きは微塵も失われていなかった。
約一ヶ月のブランクは、彼のプレイにはない。
ダイヤモンドが異常に狭く感じられるくらい、駆ける彼。
キャッチ前に次の動きを反射的に認識。

「帰ってきたんだ。本当に」

サインも決して見逃したりしない。
こうして欲しいっていう期待通りに動いてくれる。
いや、期待以上だ。

そして、時々楽しませてもくれる。
危険なはずのヘッドスライディングをここまで美しく決められるのは彼しかいないだろう。
高いプライドは決して揺るがないままだ。

色白の肌がやけに目立つ。
そこにいるのはまるで野球の妖精。
舞っている。自由に。何かから解き放たれたように。

バットが白球をたたく。
まるで魔法でもかけられたかのように、彼のバットに吸い込まれ、そして放たれる。
彼には見える。聞こえる。
ここに来るよ、さあ今打って!

そのためだけに生まれてきた人間を、とうとう見てしまった。
でも、彼は、そこに縛られないかもしれない。
そのために生きることが、自由でないならば。

「とんでもないヤツだ」
またいつ消えるかわからないじゃないか?
「コーチ、今何か指示出しました?」
「あっいや」

それでもいいか。
今日一日こんなにすがすがしくいられたんだから。
この子を見るためにこんな大変なことを長々と続けてきたのかもしれない。

彼は最後にほんの少し微笑んだ。
まるで心の中を読んだかのように。

終わり

©miekril

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